医薬品・医療機器プロモーション資材審査

2023年4月3日

    【ノンプロモーション資材審査Q&Aシリーズ】プレスリリース・メディアセミナーのお作法とは?【前編】プレスリリース・メディアセミナーの意義と最近の動向について解説。

    こんにちは。レビュープロの近藤です。

    今回のブログでは、いつものプロモーション資材の話題ではなく、非販促資材であるノンプロモーション資材に関する解説をいたします。

    さて、この記事を見ているあなたは、企業活動の一つである「プレスリリース」や「メディアセミナー(プレスセミナー)」の考え方について知りたいと思っている方ではないでしょうか?

    プレスリリース・メディアセミナーは広告か?

    報道関係者や投資家・ステークホルダー向けの「プレスリリース」、報道関係者向けの「メディアセミナー」などの情報提供は、広告に該当しません。

    一般紙メディアへのプレスリリースやメディアセミナー、投資家等を対象としたホームページのサイトも同じ範疇に入ります。

    広告に該当しない理由は、「プレスリリース」などの会社事業に関する迅速な情報提供は、投資家やステークホルダー向けの「情報開示」の一環として医薬品メーカーの責務となっており、広告と切り離された「広報活動」として認知されているためです。

    「メディアセミナー」についても、その趣旨は、報道関係者に対して会社事業を正確に理解して報道してもらうために開催するものであり、プレスリリースと同様に、正当な企業活動の一つとして実施されています。

    この見解は、IFPMA(International Federation of Pharmaceutical Manufacturers & Associations:国際製薬団体連合会)において、「IFPMAコードの対象としていないノンプロモーション資材」に関して、「プロモーション目的ではない企業の一般情報(投資家および現在・将来の雇用者に対する情報等)、財務資料、研究開発プログラムの情報、企業および製品に影響を与える規制の進展についての論説についても、IFPMAコードの対象ではない。」としていることから、国際的に共通する認識になっていることがわかります。

    もうひとつの理由として、たとえば「メディアセミナー」の対象となる報道関係者は、自社品を処方する医療関係者や使用する患者などの「顧客」に相当しないため、報道関係者に対する情報提供は、広告の3要件*注)の「1.顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昴進させる)意図が明確である。」にあてはまらないため、広告に該当しないと考えられます。

    プレスリリース・メディアセミナーの情報提供は、どこまで可能か?

    プレスセミナー・メディアセミナーは「広告」ではないことから、未承認薬および適応外薬の使用情報の扱いも、プロモーション資材とは全く異なってきます。

    たとえば、プレスリリースにおいて、国内未承認の医薬品等に関する第三相試験の臨床結果などを情報開示しても、広告とはみなされないことから、医薬品医療機器等法(薬機法)第68条で禁止されている「未承認薬の広告」に抵触することはありません。

    またプレスリリースでは、プロモーション資材で一般的に使用を禁止されている論文未発表データ、たとえば直近の「国際学会」で発表になった自社開発品に関する情報の提供についても、容認されています。

    特に最新の未承認薬や適応外薬に関する情報提供については、承認前の「広告」は禁止されていますが、企業の「広報活動」は、科学・医学の進歩について「国民の知る権利」に資するものと考えられている点も、基本的に開示を制限していない理由の一つと考えられます。

    他方、メディアセミナーに参加する報道関係者は一般人に相当することから、たとえば、新製品の商品名を明らかにして開催すると、広告の3要件*注の「2.特定医薬品等の商品名が明らかにされている」があてはまるため、一般向けの広告を行っていると疑われるのではないかと疑問が湧いてくるかもしれません。

    この点については、前述のようにメディアセミナーの報道関係者に対しては、「1.顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昴進させる)意図が明確である。」があてはまらないため、新製品の商品名の記載があっても、問題にはなりません。

    したがって, プレスリリース・メディアセミナーの情報提供は、承認前の自社開発品の進捗状況や、第三相試験等の結果報告、有名論文や国際学会で発表となった自社品の有用性に関するトピックス、さらには新製品の情報などを紹介することは可能です。

    また、それらの情報を入手した報道関係者が、たとえば一般向けの新聞等に記事として掲載したとしても、「報道の自由」としてその行為を妨げるものではありません。

    プレスリリース・メディアセミナーに関する最近の動向は?

    このように、プレスリリース・メディアセミナーの情報提供においては、基本的に制限がないと思われるかもしれません。

    しかしながら、プレスリリースやメディアセミナーに関する最近の動向として、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン(平成30年9月25日通知)のQ&A」(平成31年2月20日事務連絡)において、プレスリリースやメディアセミナーを通じた情報提供に関して、「実際になされた活動により『販売促進を期待して』なされたか否かを個別に評価・判断されるものであるから、一律に本ガイドラインの適用から除外されるわけではない。」とされました。

    特に、一般人向けメディアが含まれる場合については、「一般人向け広告に該当するおそれがあるため、慎重な対応が求められる。」と警鐘を鳴らしています。

    前述のIFPMAコードにおいても、前提として「プロモーション目的ではない企業の一般情報~」としていることから、プレスリリース・メディアセミナーと言えども、「プロモーション目的」すなわち「販売促進を期待して」行うと、「広告」の規制対象となります。

    今後、この点については細心の注意を払っていく必要がありそうです。

    *注1)「広告の3要件」(平成10年9月29日付け医薬監第148号 課長通知)

    医薬品等の情報提供は、以下の「広告の3要件」を満たした場合、広告とみなされる。

    • 顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昴進させる)意図が明確である(顧客誘引性)
    • 特定医薬品等の商品名が明らかにされている(*注2)(特定性)
    • 一般人が認知できる状態である(*注3)

    *注2)商品名には一般名も含まれる *注3)一般人には医師・薬剤師も含

    次回の【ノンプロモーション資材審査Q&Aシリーズ】では、「プレスリリース・メディアセミナーのお作法とは?」の【後編】として、最近の動向を踏まえたプレスリリース・メディアセミナーの具体的な注意点について解説いたします。

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    プロモーション資材審査

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